先に言っていたSS
「せむぅ」
「どうしたんだい猫が猫撫で声なんか出して」
「帽子作って」
気まぐれ猫の頼み事は本当に唐突である。
「うわ、ぼろぼろじゃないか…どうしてまた……」
「猫のせいだもん」
「だもんって…」
ニクスが言うには立って歩いて喋る猫が経営するノクターンと言う喫茶店に猫達に連れて行かれ暫く過ごし帰ろうとすると猫達が嫌がり帽子を取って逃げ取り合っている内にぼろぼろになったと。
「お陰で帰り遅くなってサイレンに怒られるし寝不足だ」
「分かった、作っても良いが貰う物は貰うぞ」
「俺が金無いの知ってるだろ」
「棘まみれでいいならただで作ろう」
「むー…ケチ」
セムはそれでも結構だと意見を変える気は無いらしい。
「暫く私の着せかえ人形になるなら作ってやろう」
「馬路で!!それ位なら幾等でもやってやるよ」
「契約成立…だな」
帽子が出来た後何が着せられたかはセムとニクスしか知らないのだった。
──
何を着せられたかはご自由に想像して下さい。
やしーに捧げた話。
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