「ただいまー、って寝てんのかよ」
あーぁ無防備は顔しちゃってコイツ自分が好かれてる自覚無いだろ、変な所で鈍いしなぁ
「俺がお前の事好きだって事も知らないだろ?」
ニクスの見た目より柔らかく細い髪を撫でながら言う。
叶わない恋だと知っていても好きになるのを止められなかった。
敵わないと分かっていたのに──…。
「ん……」
「あっ起こしちまったか?」
ニクスはソファの上で落ちないように巧く寝帰りしただけだった。
英利が安心したのも束の間ニクスは何かいい始める。
「サィ…レ…」
「…………………」
胸が痛い、俺を呼ぶ筈ない、ニクスが見ているのはもう一人の此処の住人サイレンの事。
「…サィ……ン…」
呼ぶな
「…サイ…レン…」
呼ぶな
「サイレン…」
呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな呼ぶな──────。
気付けば自分の口でニクスの口を塞いでいた。
「んっ………」
ニクスのうめく声にはっと我に帰り急いで離れる、起きたかと思ったが幸いニクスは起きなかった。
「呼ばないでくれよお願いだから」
強制終了
髭肉←英 寝言で相手の名前呼んでやめさせる為にキスする所を書きたくなった(何。
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